最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)784 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人後藤三郎、同田宮敏元の上告理由第一点一、二について。
しかし、原判決が本件二、三の土地について農地であると判示したのは、二につ
いては当事者の自白、三については擬制自白によつてこれを認めたことが判文上明
らかであり、そして原判決が本件一(1)(2)の土地の買受当時の現状は農地で
なく山林であつた旨認定したことは、その挙示する証拠関係、事実関係に照らして
首肯できないことはない。しからば、原判決には所論の理由そご、理由不備の違法
は存せず、論旨は採用し得ない。
同第二点一について。
しかし、原判決が本件一(1)(2)の土地は本件売買契約当時、農地でなく山
林であつた旨認定したことが前記のように肯認できるのであるから、原判決には所
論農地法二条の解釈を誤つた違法はなく、また所論引用の各判例は本件に牴触しな
いか又は本件に適切でないものであつて、論旨は採用できない。
同第二点二について。
原判決が、本件一(1)(2)の土地の本件売買契約当時の現状は山林であつて、
被上告人が右一(1)(2)の土地だけを取得したとしても売買の目的を達するこ
とができないことはない旨判示したことは、その拳示する証拠関係、事実関係から
これを首肯できないことはない。所論は、ひつきよう、独自の見解に立つて原判決
を非難するに帰し、採るを得ない。
同第三点一、二について。
原判決の所論認定は、その挙示する証拠関係からこれを肯認できないことはない。
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所論は原審の認定にそわない事実を主張して、原審の適法にした証拠の取捨判断、
事実認定を非難するものであつて、採用できない。
同第三点三について。
しかし、当事者の申出た証拠方法についてそれが唯一の証拠である場合を除き、
審理の経過から見て必要がないと認めるときは、その取調を要しないことは当裁判
所判例(昭和二四年(オ)第九三号同二七年一二月二五日第一小法廷判決、民集六
巻一二号一二四〇頁参照)の示すところであり、所論検証の申出が唯一の証拠方法
に当らないことは本件記録に徴して明らかであるから、原審の措置に所論違法は存
せず、論旨は採るを得ない。�
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 斎 藤 朔 郎
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